2024 第33回シーホッパーSR全日本選手権大会に参加して written by 浜名湖 松永至央

今回は前線を伴った台風24号崩れの温帯低気圧の接近で、雨と共に前線通過に伴う嵐、及びその前後の無風が予想された天候の中、地元浜名湖の運営チームの適切な判断により、無事4レースが行われました。

ここに開催・運営をしていただきましたホッパー協会、三ヶ日青年の家及び静岡県連・地元関係者の方々に深く感謝いたします。

さて今回のSRクラスの参加メンバーは、前回の高松の激流の中、艇トラブルに見舞われながらも、地の利のある地元セーラーを抑えた私にとって絶対クイーンの水野三喜さん、そして新たに参戦された元インターハイチャンプの材木座フリートプリンセス長岡さん、そして今回の全日本チャンプを目指し、7月と9月の2回にわたりはるばる浜名湖ポイントレースに参戦し意気込みと準備が万全の琵琶湖フリート瀧田さん、最近琵琶湖から大阪北港に移られ藻の心配から解放された心機一転の北林さん、そして岡山からは日頃乗り慣れた470のスピード感を持ってはるばる参戦の明石さん、次回全日の江ノ島がホームで前前回の江ノ島大会準優勝者の逗子フリート植木さん、毎回欠かさず参戦される笑顔の中に闘志をみなぎらせる三保フリート佐野さん、そしてジュニアからは常連で九冨理事長の愛弟子かつアイドル 高松フリート 松下さん、浜名湖より10月に調達した艇で参戦された長野国体の秘密兵器 諏訪湖 井上さん、そして次期材木座プリンセスを狙ってほしい武藤さん、最後に 週に三日”ケアハウス浜名湖”に通い乗艇日数だけはチャンプの私と、年齢、性別、環境その他、SRならではの様々なメンバーでの大会となりました。

レースに関しては4レースともいつになく混戦で、頻繁にマークごとに1位、2位、3位が入れ替わり白熱の展開になりまし。結果として、一位から5位まではポイントが接近していて、接戦を物語っていたと思います。ここで懺悔がひとつ、初日第一レース礫島を目指したレース、東寄りで上り気味のSRクラスのトップ集団で「次のマークが見えない~」「レースコースがわからない!」の悲鳴に、遅れている私だけ密かに礫島一直線のコースをひき、トップで回航できました。性格の悪い爺でごめんなさい。ただし回航は団子でこのレースも次のレースも結局はクイーン三喜さんが共にトップ!さすがでした。2日目のレースは長い風待ちの後、安定した南風となり得意の風域で2レースとも上位をキープでき、ラッキーにも逆転することができました。

今回は地の利もあり優勝することができましたが、SRクラスは楽しいです。一度参加すれば多くのセーラーとお友達になれます。長いブランクから戻ってきた人、シニアになって始められなおかつ熱い情熱を持っておられる方、これからどんどん伸びるジュニアセーラー、お母さんセーラー、オトーサンさんセーラー、フリートレースを楽しむ若者セーラー等、マッチョでなくてもゆるく楽しめるSRクラスはいいですよ~!

第49回シーホッパー全日本 シーホッパー級レースレポートwritten by永井喜彰

大会前日
前夜祭の鰻に釣られて大会前日から会場入りしました。
ほとんど風が無い日でしたが出艇して山本さんら数艇と一緒に帆走しました。

前夜祭では店長の蜂須賀さんにお会いでき、美味しい鰻を頂きました。

大会初日
第1R つぶて島回航レース 北東 0〜3m
ほぼ無風の中でのスタート。アウターにいた私とは反対から風が入り大きく出遅れ、最初のマークを15位くらいで回航。
更に上マークにタッチしてしまい、ペナルティターンをするおまけ付きでした。
つぶて島までの長い下りはポートのバイザリーで岸よりのブローを受けながら帆走し、最短コースでつぶて島に向かいました。
岸よりのコースが功を奏して数艇抜いてつぶて島を回航。つぶて島回航後のフィニッシュまでの長い上りは右海面を使って追い上げ、7位(8位までは得点が-025点ボーナス)でフィニッシュしました。

つぶて島を回ったのは今回のレースが初めてで、結果はともかく楽しいレースでした。ただ、この回航レースを取り入れたため(?)か全日本はカットレースは最初から無しと後で知り、最初のレースで7位と出遅れてしまったのがちょっとショックでした。

第2R コースレース(上下2周)※3R以降同じ
東 2~3m
アウター付近の混雑を避けて下寄りから第一線でスタート。すぐ右に伸ばしてトップ目で上マークに寄せました。左海面を使った杉山んと南原さんに先行され1上を3位で回航しました。
2上はポートロングのコースで、1.2位が右海面に向かって競ってる間に左に行ったらコースが当たり、2上を1位で回航しそのままフィニッシュしました。

この日は南風に変わり強風が吹く予報だったので、いつ風が吹き上がるかと風待ちの間ヒヤヒヤして待っていました。
結局、風は吹かずハーバーバックになり、土砂降りの雨の中帰着しました。

初日のスコアは7-1で、感覚的には3~4位くらいかなと思っていました。
夜のレセプションでの順位発表で5位(1位が同点で3人いて私と2点差、4位と1点差)と分かり、ちょっとショックでした(この日2回目のショック)。

夕方の選手総会の間に暴風が吹き、艇庫のシャッターが強風で捲れてしまい壊れるアクシデントがありました。
人が風で吹き飛ばされそうな位の強風でしたが、幸いにも参加艇や運営機材は無事で、翌日のレースに支障はありませんでした。

大会2日目
第3R  南1~2m
長時間の風待ちの後、南からそよそよ吹いてきた風で正午前からレースが行われました。
極端なアウター有利のスタートで、第2Rと同様アウターに寄せすぎず無難に第一線スタートしました。
すぐに右に伸ばして集団から有利な位置でコース取りができ1上を1位で回航しました。
上マークへのコースがポートロングでかなり偏っていたのと、前日の雨の影響なのかコースに真横から流れる潮流のおかげで下りも抜かれずに1位のままフィニッシュしました。

この時点で杉山さんと同点1位(タイを解くと私が1位)で、3位の金田さんとは1点差でした。
このまま時間切れとはならず、すぐ最終第4Rが行われました。

第4R 南4~5m
第3Rと同じく極端なアウター有利のスタートで、前レースと同じくアウターに寄せすぎずに第一線スタート。
アウターで杉山さんが出遅れたのが見たので、あとは金田さんの一つ後ろでフィニッシュすれば優勝の展開でした。
金田さんと競りつつ、追い上げてきた杉山さんには抜かされないようにタックや位置取りを考えてコースを引き、3位でフィニッシュしました。
スコアは7-1-1-3=11.75点で、通算7回目、2011年の山中湖全日本以来13年ぶりの優勝でした。

大会総括
初日は初めての島回りレースを楽しみ、2レース目以降のコースレースでは無理をしないスタートからのコース取りを心掛けました。2日目は幸運にも優勝争いに加わることができ、風の振れを見たりタックのタイミング、位置取りなど、これまでのヨット経験を総動員して優勝に向けて取り組みました。いい意味で緊張する展開が数多くあり、ヨットレースの楽しさを再認識しました。

ここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございます。
シーホッパーを走らせるために私がクローズホールドで意識しているポイントを紹介したいと思います。

1.ヒールが起きなくなったらセンターボードを上げる
順風でヒールを起こせなくなってきたらセンターボードを5センチ上げます。センターボードに印をつけておくと目安になります。強風でメインシートを出すコンディションになったら5~10センチ上げます。更に風が強くなりクローズホールドで吹き倒されるくらいのサバイバルコンディションになったらセンターボードの上部の穴が見えるくらい(20センチくらい)上げ、少しでも安全にセーリングできるようにします。今回のレースは比較的風が弱かったので、偶に5センチ上げるくらいでした。

2.ガンネルのフレアを活用する
シーホッパーはレーザーと異なりガンネル幅が広く、ボトムが反り返った(一部平らな部分)があることから、船がヒールするとその部分が水に浸かり浮力を持つことで復元力がつきます。ガンネルが水に少し付いたところでヒールしにくくなる感覚があると思います。当然ガンネルが水没しすぎると抵抗が大きくなってしまうので、適度にガンネルが水に付くヒールの加減を維持しながらセンターボードの調節と併用して効果的に走るポイントを見つけましょう。

3.微風・軽風ではセール裏側の風の流れに注意する
風の弱い時に表と裏のテルテールを流すことは基本ですが、特にセール中央から上部の裏側の流れを意識するようにします。単にテルテールが流れるように走らせるだけではなく、セールの出し入れやブームバングの調節をする必要があります。肝心なのはセール全体の深さとブームの位置(トラベラーブロックからどの方向と距離にブーム後端があるか)ですので、その2点を適切にコントロールしてセールの裏側に風が流れている状態を維持します。

まとめ
シーホッパー全日本は、33年前(1991年)に高校1年生で山形プレ国体の全日本に出てから17回出場しています。
最近は連続で出ていないのですが、5年前の2019年琵琶湖と2017年浜名湖が2位、2012年浜名湖が4位と、楽しくレースに参加させてもらいました。
シーホッパーの大会は、高校生の頃から知っている方々にお会いすることができ、楽しくセーリングとレースができるので、自分のセーリングの原点かなと思ってます。

最後になりましたが選手・運営の皆さん、事務局の弥久保さんありがとうございました。

第5回シーホッパー級MR全日本 レースレポートwritten by津川 翔

大会を開催してくださったシーホッパー協会の皆さん、運営をしてくださった静岡県連の皆さん、本当にありがとうございました。皆さんのおかげで、とても充実した全日本シーホッパー選手権になりました。

今回の優勝で、全日本シーホッパー選手権MR級を2連覇することができました。これも、いつも選手の自主性を大切にしてくださり、のびのびと練習できる環境をつくってくださる九冨コーチのおかげです。この場を借りて、心から感謝の気持ちを伝えたいと思います。

初日
1レース目のつぶて島周回レースでは、スタートに失敗し、1マークを回航した時点で3位でした。そのため、フリーではブローを見つけることに集中しました。つぶて島回航時には、島寄りのコースを進んでいたSR艇が遅れていることに気づき、沖側のコースを選びました。その結果、遅れを挽回でき、トップを取ることができました。逆転するための方法を考える良い機会になりました。

2レース目では、スタートは良かったのですが、コースの間違いで最下位になってしまいました。マークの色を間違えてSR艇と同じコースを走ってしまったのが原因です。これからは帆走指示書をしっかり確認して、レースに臨もうと思います。

2日目
3レース目もスタートは良かったのですが、右海面を選んだ結果、下マークで2位でした。そこで、コースを変えて左海面で勝負しました。その結果、挽回してトップを取ることができました。前日と同様、逆転するための方法を考える良い経験になりました。

4レース目はスタートが一番うまくできました。潮の流れを読み、うまく位置取りができたことが要因でした。スタートが良かったので、最後まで気持ちよく走ることができました。

来年は高校受験がありますが、親を説得して全日本シーホッパー選手権に出場したいと思います。

2024年シーホッパー全日本・選手総会 議事録

2024年11月2日(土) 会場 浜松市 三ケ日青年の家

●2025年度レース日程案
全日本選手権 会場  神奈川県藤沢市 江の島ヨットハーバー
       日程  11月14・15・16日

西日本選手権 会場  滋賀県 ヤマハマリーナ琵琶湖
       日程  5月下旬から6月初旬

東日本選手権 会場、日程とも検討中

●役員改選
理事長    九冨さんからそろそろ後進に譲りたいと申し出があり、推薦が
       ありました
       協議の結果満場一致で以下の通り決まりました
       両名とも来年の50回記念大会に向けてよろしくお願い致します
新理事長   金田裕孝 三保フリート
副理事長   望月 哲 浜名湖フリート

●艤装について 
昨年の高松でも議題に上がりましたが、今回も話し合いが行われ以下の通り変更決定されました
 ブームバングテークル数 ・現状 1/8 →1/15
 カニンガム  〃    ・現状 1/6 →1/8

●各水域のポイントレース日程
 材木座、逗子、江の島フリート →湘南チャンピオンシップ 毎月第2日曜日
 静岡三保フリート  毎月第1日曜日
 2025年三保ミッドウインターレース 1月11日-12日
 静岡浜名湖フリート 毎月第2、4日曜日
 愛知県蒲郡     11月、12月 第2日曜日
 大阪北港フリート  4月-11月 毎月第2日曜日
 各フリートメンバーに問い合わせてください

●2026年全日本会場 西日本地区 候補 岡山県牛窓 香川県高松・・・・

●2025年全国中学校ヨット大会 会場 富山県射水市 7月末頃開催予定

選手から活発な発言があり意義のある総会だっと思います